2005年11月26日

ペットの死…その時あなたは…

以前見つけた新聞記事「獣医さんのこぼれ話」ペットロスのことが載っていました。

院長、大変です。受付に変な人が来ています」と、突然職員に呼ばれました。
そこには2個のカゴがあり、なんと、その中には猫の死体がきれいに並べられていました。
ひとつのカゴには生後10日ほどの子猫が6匹、もうひとつのカゴには生後3週間ほどの
子猫が5匹入っていました。
これらの子猫はすべて死んでおり、しかもすでに乾燥してミイラ化しているではありませんか。
何となく影の薄い寂しそうな飼い主さんで「すみません、さっきまで呼吸していたんですけど、何かおかしいんです。何とか助けてください。」と言って、懇願してきました。
すでに死後相当経っているのでしょうか、その間この飼い主さんは死んだ子猫たちと一緒に
生活していたことが想像されていました。
何とか、今の状況を飼い主さんに細かく説明して「手厚く葬ってください。お願いします。」と、
納得していただき帰ってもらいました。
こんな形のペットロスもあるのですね。



この記事の中にも書いてありましたが、この飼い主さんは感受性の強い方で、子猫たちの
死による精神的ダメージが大きく、その死を受け入れられなかったのでしょうね…


以前、「ペット・ロス」(←クリックするとその記事が見れます)についての記事を書きましたが、その中で「ペット・ロス症候群」について触れましたが、死を受け入れられず、まだ生きているものだと思い込んでしまったり、または、一緒に暮らしていた記憶を消してしまい、はじめからいないものだと思い込んでしまったり、違った形のペットロス症候群もあるのですね。

現在、人同士の接触が少なく、ペットに癒され依存しすぎる人が増えてきていますよね…
そういった背景が精神的ダメージを大きくしているのではないでしょうか?



自分もそうなったらと、ちょっと怖い気がしました。
マーシャは死んでいるのに、生きているかのように水やごはんをあげて一緒に寝る…
想像しただけで怖い…


ある方から一通のメールが届きました。

その方の愛犬が3ヶ月前に病気で亡くなりました。
その病気に対して治療、看護には悔いの残るような事はなかったと死を受け入れています。
そして、また新しい家族のワンコを迎え入れることになったという、うれしいお知らせでした。

しかし、友人に「ひどい!○○ちゃんがかわいそう」と言われたそうです。
愛犬がなくなって3ヶ月は早すぎると…冷たい飼い主だと言うのです。

果たして、3ヶ月は早いのでしょうか?冷たい飼い主なのでしょうか?


ペットの死…それは、とても悲しく「ペット・ロス」になるのはあたりまえのこと。
特別なことでも異常な反応でもない。

そして、その悲しみから立ち直り「できればまたペットと暮らしてみたいな」
思えることも自然で正常な反応。
「死ぬのがかわいそうだから、もう2度とペットは飼わない」と言う人がいますが、
ちょっと残念なことだなと思います。

以前の記事でも紹介した本にもこう書いてありました。

ペットの死、その時あなたは
ペットの死、その時あなたは


悲しみの最後のステップが「解決」すなわち立ち直りです。
悲しみから解決にいたる過程も期間も人によって違います。
時間が経って普通の生活に戻れること
「あんなに楽しかった動物との暮らしをもう一度実現してみたい」
と自然に思えること。それが「解決」のステップです。



↑まさにその通りだと思います。
新しい家族を受け入れる気持ちになったって素晴らしいこと!
亡くなって1週間や半月、3ヶ月が早いなんて人に言われたり決められたりすることではない!
気持ちの整理がついて、新しい家族と暮らしてみようかと思う時期に早いも遅いもないのです。

新しい家族と暮らすことに罪悪感や裏切りを抱くことは違うと思う。
亡くなったワンコだって、いつまでも悲しんで泣いてばかりいる飼い主さんを見て
とても心配して天国でのんびりしてられないよ。。
それより、いつも笑顔でいる飼い主さんを望んでいると思う。
笑って「たくんさんの楽しい思い出ありがとう」と思い出を残しておくことが
亡くなったワンコだって一番うれしいのではないのかな。


そして…
次のペットと暮らし始める場合は、その動機がとても重要だと…書いてありました。

もしも、亡くなった子の身代わりとして次の子と暮らすのはちょっと待って下さい。
新しい動物との新しい関係を築く準備ができないまま、ただ外見がそっくりな動物との生活を始めた場合「あ〜あの子はこんなふうじゃなかった」などと、不満ばかりが目につき、愛情を持つことができない可能性があります。


以前、知り合った飼い主さんの話ですが…
その方は、アイリッシュ・セターを病気で亡くし、悲しんでいたところペットショップで
亡くなったアイリッシュにそっくりな子犬を見つけ飼ってしまったのです。
新しく家族になった子犬はアイリッシュではなくイングリッシュ・コッカーだった。
飼い主さんはイングリッシュ・コッカーの性質も何も知らずに、亡くなったアイリッシュを
想い重ねてそのE・コッカーと暮らしていた。
しかし、そのE・コッカーは本気で飼い主さんを咬んでしまう子になってしまい
ドッグトレーナーに訓練してもらっても直らず、今は問題行動治療の獣医さんのところへ通い、薬物治療を受けているようです。

これは、ワンコではなく飼い主さん側の重大な問題
飼い主さんの口癖は
「前のアイリッシュは頭が良くてお利口さんだったのに…」

そのE・コッカーはこう叫んでいるはず…
「ボクはアイリッシュじゃない!ボクはボクだよ!ボクを見て!」
叫んでも届かない想いが、咬むという行動を起こしているのではないのでしょうか…

悲しみから早く解放されたくて起きる問題…
ペットロスには、こんな問題もあるのですね。




悲しみは時の流れとともに自然に治癒してゆくものです。たとえそれが何年かかろうとも。
悲しみを背負っている者が必死でつらい道を歩いている時、周囲の者達は、
その妨げにならないよう気をつけなければなりません。
獣医師の対応、社会の対応、
友人の一言など、ペットロスが深刻化する背景には、必ずある種の「妨げ」があるのです。


たくさんの犬仲間、トリミングのお客様と接している私もこの「妨げ」にならないよう
気をつけなければとひしひしと思いました。


ペット、動物達は私たちの暮らしに素晴らしいものをたくさん与えてくれる存在であり
一人でも多くの人に、動物との楽しい生活を続けてほしいと思います。

ニックネーム のらのら at 18:02| ペット事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする