2005年12月07日

英国滞在記 其の二

英国滞在記第2弾は、イギリス一般家庭の犬事情です。

イギリスの語学学校に通う時は、イギリス人の家庭にホームステイするというのが
一般的です。
ホームステイ先は、現地語学学校で紹介してもらえます。

紹介してくれるステイ先は「犬を飼っている家庭」という条件を出しました。
犬の原点で先進国でもあるイギリス人と犬との関係を実際に見てみたかったのです。

…で、紹介されたのは前回記事にしたイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
飼っている家庭でした。


初対面の私にこのイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルのテリー君とジョージ君は
吠えられることも警戒されることもなくとてもフレンドリーに接してくれました。

イギリスの家は、ダイニングキッチンとリビングの部屋が分かれているので、
日本のようにテレビを見ながら食事なんてことはなく、楽しくおしゃべりをしながら
ゆっくり食事をします。
(イギリスの食事は世界で一番まずいと言われているけど、本当だった…)

私たちが朝食や夕食を食べている間は、テリーとジョージ君は自分のハウスに入って
食事が終わるのを大人しく待っています。
IMG_0010.jpg

この2頭はとても行儀がよく近くに来て食事をねだったり、ウロウロすることは
まったくなかった。
イギリス人も食べている時に、自分の食事を犬に与えることはなかった。

食事が終わると、リビングに移動して紅茶を飲みながらみんなでテレビを見るのですが、
テリーとジョージ君もリビングに移動して私たちの近くでゴロンと寝ていました。


テリーとジョージ君の寝床はダイニングキッチンなのです。
犬が寝室に入ることは許されず、犬と一緒に寝ることはありえないという感じでした。

このご夫婦は共働きなのですが、朝と夕一日2回1時間の散歩は毎日欠かさずしてました。
そして、昼休みには必ずご夫婦のどちらかが一時帰宅して、この2頭の世話をしているのです。

散歩にも何度か一緒について行きましたが、リードを引っ張ることもなく
人や犬とすれ違っても平然としていて歩いていました。


テリー君とジョージ君を見ていて、室内でも散歩に出てもとにかく行儀がいいのです。
すごく落ち着いていて、大型犬なのに一緒にいて気にならないのです。

日本人から見ると「お利口さ〜ん」と叫びたくなるでしょう。


私はイギリス人夫婦に
「とてもよくしつけがされていますね。感心しました。」と、言うと…
「え〜〜っ!しつけがいいって?!この子達が?わぁ〜ぜんぜんだよ!本当はもっとしつけをしなければいけないんだけど、2人とも働いているからトレーニングする時間がなくてね…恥ずかしいよ」
だって〜〜〜〜!!!


「日本の犬たちはどうだい?」なんて聞かれて…
恥ずかしくてなにも言えませんでした…

このご夫婦が日本の犬たちを見たら…どんな驚くだろう…
日本の犬たちを想像できないだろうな…



ステイ先をかわり、今度は定年退職したご老人夫婦の家庭にステイしました。

ステイ先の条件はもちろん「犬を飼っている家庭」

今度の家庭では「ルーカス・テリア」という小型犬がいました。
IMG_0001.JPG

このご夫婦のお家は築年数が100年の立派なお宅で、リビングやキッチンの
装飾は素晴らしいものでした。まさに、イギリス伝統の家です。
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ルーカス・テリアの”キズィー”ちゃんです。
このキズィーちゃんはルーカス・テリア専門のブリーダーさんのところから
やってきたのです。
Kizzy2.JPG

最初にキズィーを見たとき、大きくて太っているヨーキーだな〜なんて思っていけど、
犬種を聞くと「ルーカス・テリア」と言う…
聞いたことがない犬種…日本の犬種図鑑には載っていない。

ルーカス・テリアは国際的に認知されない未公認犬種なのです。
サー・ジョセリン・ルーカスという人がシーリハム・テリアノーフォーク・テリアを交配して
作出した犬種なのです。

シーリハム・テリアterria.jpg

ノーフォーク・テリアnofork.jpg


上の2頭を交配してルーカス・テリアが生まれた
frostsszasza1_2.jpg

毛色は多彩で様々です。
froststippytoes.jpg

未公認の犬種ですが、原産国イギリスでは純粋犬としての歴史もあり、
きちんとしたスタンダード(犬種標準)もあり、専門ブリーダーもいます。
イギリスでは人気の女優さんが飼っていたりしてけっこう有名な犬種なんです。
bestdog2000.jpg


キズィーも一日2回の散歩、やはり寝室には入れず、寝床はキッチンです。
犬用ベッドが置いてありました。

定年退職したご夫婦なので、時間がある時にあちこちにドライブに連れて行って
もらいましたが、いつでもどこでもキズィーは一緒です。

私がトリマーだと言うと、キズィーをトリミングしてほしいとお願いされ
月に一度キッチンテーブルの上でトリミング。
IMG_0003.JPG


ご老人に飼われていることもあり、ちょっとわがままに育てられていたけど
キズィーも吠えたり唸ったり、リードを引っ張ったり、指示を無視したりなどということは
まったくなく、やはり、よくしつけされていて行儀がいいと感心しました。

イギリスでは公園などでたくさんの犬の散歩を見かけますが、犬同士で吠えあったり
唸ったりケンカなど一度も見たことがありませんでした。

他人や他の犬などに迷惑がかかると、飼い主の恥であると思っています。
犬ではなく、しつけができなった飼い主のせいだと反省をします。


犬を飼ってる家庭に住んでみて感じたことは、イギリス人は、
犬を擬人化していないということです。

イギリス人は、犬を犬として見ているのです。

もちろん、イギリス人にとって犬は大切な家族であり、パートナーであり、
とても可愛がっていますが、日本のように変な擬人化はしていません。

洋服を着ている犬、頭にリボンをしている犬…イギリスでは見かけません。

犬と人間は違うといううことをしっかりと認識しています。


犬は寝室に入れない、キッチンが寝床であると言うと、
日本の飼い主は「かわいそ〜〜一緒の布団で寝てもいいのに」

食事中、犬が寄ってきてくれと言って吠えたりしてねだると
イギリス人はものすごい剣幕で犬を叱る。
日本の飼い主は「かわいそう〜少しぐらいあげてもいいじゃない」

日本人は何でもかわいそうだからと言って叱らない、教えない飼い主さんが多い。
そのくせ、犬に何か面倒なことが起きるとすぐ「問題行動」だの
「犬の性格が悪い」だの犬のせいにしてしまう。

犬を犬として扱うのは、犬を見下していることではないのです。
犬を擬人化して、無意味なそして間違ったしつけをするほうが犬にとっては
不幸だと思うのですが…


まだまだ、書き足りませんが今回はここまで…

英国犬事情はまだ続く…


ニックネーム のらのら at 20:23| 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする