2006年02月15日

英国滞在記 其の四

お待たせしました!やっと、英国滞在記の続きです。
(詳細は、英国滞在記其の三をお読みください)

さて、なぜイギリスの犬たちはお行儀が良いのでしょう?

それは、しつけやトレーニングに対する意識が日本とは違うことだと感じました。
犬のしつけやマナー教室はイギリス各地、小さな街にもいたるところにあります。
しつけやマナー教室へ通うことは特別なことではなく、犬と暮らす上では
当たり前なのです。

ホストファミリーに頼んで、しつけ教室に連れて行ってもらいました。
雨の多いイギリスは当然室内…古い教会の中で行われていました。
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週2回、夕方6時頃から始まり、それぞれ時間ごとにレベルが違う内容
になっていました。
夕方6時は基礎のトレーニング、小学生レベルと言った感じ。
7時からは、レベル内容もアップして中学生レベル。
最期は競技会目指すくらいの内容の大学生レベル


参加している飼い主さんも犬たちもとてもリラックスしていて、とても楽しそう。
家族連れが多く小さな子供達も参加してました。
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レッスンが終わってもすぐ帰らず紅茶を飲みながら飼い主たちは楽しそうに
おしゃべりしていて、見学に来た私にまで紅茶を出してくれたりして、
すごく和やかな雰囲気でした。
しつけ教室と言うより、飼い主さんと犬たちの社交場という感じ。

このしつけ教室は料金がすごく安いのに驚き!
入会金5ポンド…日本円にすると約千円くらい
1回のレッスン参加料は1ポンド、日本円で約200円くらい
ひゃ〜〜安すぎます!
イギリスのトレーナーさんに日本でのレッスン料を言ってみると
「日本のトレーナーさんはお金持ちね〜」と驚いていましたが…
イギリスのトレーナーさんは犬のトレーニングだけで働いているプロはとても少ない。
生活して稼げる仕事をきちんとしていて、ほとんどボランティア感覚で仕事の後、
夕方からしつけ教室を開催している。
だから、レッスン料も安くなり、飼い主さんは気軽に参加できるということなのだ。

しつけ教室など行う場合は、古い教会やその地域の公共施設(体育館など)が
気軽に場所の提供をしてくれるのです。
日本ではなかなか難しいですよね…

何度も見学したけど、実際に経験してトレーニングを学びたいと思い参加しました!
知り合いのトリマーさんが最近暮らし始めたワンコ…
ちょうどしつけ教室に通い始めるところをお願いして私がそのワンコと
しつけ教室に通うことになったのです。


犬種はグレーハウンド…実はレスキューされたワンコだったのです。
(JKC犬種図鑑より)
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世界的にも動物愛護精神が強く法律もしっかりしているイギリスだけど、
ドッグレースが今でも盛んに行われています。
競馬と同じく人間のお遊びのためギャンブルの道具として犬が走らされている。
そのドッグレースで走らされている犬種はグレーハウンド…走る速さは犬種一といわれている。
しかし、ドッグレースで活躍できる現役時代は2〜3年と短い。
現役を引退したら、競走馬と同じ運命が待っている。
優勝など優秀な成績を収めたレースドッグは種犬として大切に扱われるが、その他は
処分という悲惨な結果…。
引退したグレーハウンドのレスキュー施設“リタイアホーム”はあるが、
引退犬の数は施設のキャパシティを超えているのが現状。
動物愛護の国イギリスで矛盾に感じるこのドッグレースの状況…

そんな状況の中で幸運にも里親が見つかったレースドッグを私がトレーニングすることに!
一番の悩みは、呼んでもまったく来ないこと…
公園でノーリードにするとどこまでも走り続け呼びが聞かなくなる…
そりゃそうだろう、常に前に誰よりも速く走ることしか教えられてないんだから。

小学生レベルの基礎コースから参加
まずは、アイコンタクトから始めました。
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手にご褒美のソーセージを持って、うまくできたら大げさに褒める。
これって、日本人が不得意なんですよね〜
人前で大げさに褒めることって恥ずかしいって思うんですよね。

欧米人って表現はかなりのオーバーアクション!
私も思い切ってムツゴロウさん(笑)になったつもりで
「Good!You are wonderful!!」と、オーバーアクションで褒めましたよ。
「sit (座れ)」「 wait(待て)」「 down (伏せ)」「 come(来い)」
「 heel(つけ)」など一通りは教えることができました。
毎週このコースに通い続けること3ヶ月、なんとかノーリードでも
呼びができるようになりました。
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あとは、日常的に飼い主さんが繰り返しすることですね。


大変だったのは、何といっても英語…
トレーナーさんが話す内容を必死で聞かなければならないのでかなりの集中力が
必要で頭の中は疲れましたね(笑)


自分のレッスンが終わっても帰らず、毎回最期まで見学していました。
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犬種は様々でしたが、中型犬以上が多かった。

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上級コースのレッスンでは「待て」の号令をかけて飼い主さんは教室を出て
隣の部屋に行き20分ほど戻ってこない。
隣の部屋では紅茶を飲みながら楽しいそうにお喋りしている飼い主さんの
声が聞こえる。
犬たちは動かずその場でドアを見つめながら飼い主さんを待っている。
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毎回しつこく最期まで見学していたので、トレーナーさんは私をアシスタントとして
使ってくれるようになりました。
時には、トレーナーさんの愛犬と一緒に上級コースに参加させてくれたりして
とても親切に教えてくれました。
すごく感謝してます!

今日本でしているしつけ教室の内容とほとんど変わらない思いますが、
飼い主さんの意識が日本とは違うと感じました。

今でこそ日本はしつけやトレーニングに対して注目度は高く意識レベルも
上がってきているけど、まだまだしつけやトレーニングは特別なことだという
思いがあり、何か問題が起きてから慌ててしつけを行うということが多いと思う。

しかし、イギリスは問題が起きてからではなく、問題が起きないようにするため、
問題が起きる前にきちんとしつけやマナーを教えるのが当たり前という意識だ。


生後5,6ヶ月の子犬が参加するパピー教室も見学しましたが、子犬のしつけというより
飼い主さんのしつけという内容でした。
トレーナさんは子犬ではなく飼い主さんに犬についての話をずっとしていて
最期に子犬を全部教室に放して遊ばせることをしていました。
犬は飼い主さん次第で天使にも悪魔にもなります。
子犬の飼い始めの時から飼い主さんの意識レベルを高くするための
パピー教室なんだと思いました。


日本もあちこちでしつけ教室が開催されていますが、もっと気軽に参加でき
飼い主さんの意識レベルが上がるような勉強できる場所が増えて欲しいと思います。
それにともない、知識と経験のあるトレーナーさんも増えて欲しい。

犬の幸せを願って私もイギリスで学んだことを生かさなければ!


ニックネーム のらのら at 16:29| 海外情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする