2006年05月19日

病犬のトリミング

最近の出張トリミングは動物病院からの紹介で病犬が多い。

重い疾患の犬の場合、なるべく負担がかからないようにとお家で飼い主さん
がいるところでトリミングしなければならない。
そこで出張トリミングをしている私が出動となるのだ。

病犬は安静が第一なので原則的には負担のかかるトリミングしないほうがいい。
しかし、病犬は抵抗力も弱まっているため皮膚や被毛を常に清潔にしている
必要がある。
また長毛犬種は手入れをしないともつれや毛玉ができ皮膚病の原因にもなって
しまう。
生活の快適さを考えると病犬でもトリミングは必要になってくる。


病犬のトリミングで注意することは、できるだけ負担がかからないように
時間をかけず、すばやく手短にすませることだ。

カットのきれいさを追求して長い時間束縛をしてはいけない。
見た目はちょっと雑だけど、とりあえず短くなれば手入れがしやすくなる
という考えでトリミングをする。

負担がかからないように、今日はシャンプーとドライングだけで1週間後に
カットをすることもある。

体をカットする時には、姿勢よくきちんと立っていなければきれいにカット
することができないけど、病犬には長いこと同じ姿勢でじっと立っていることが
つらくてできない場合が多い。
座っていても伏せの状態でもカットできるようにならなければならない。

病犬や老犬のトリミングは犬の扱い方がとても重要なポイントになる。
かなり経験がある熟練のトリマーさんでないと難しいかもしれない。
それと同時に、病気に対する知識もなければ犬の扱いはできないと思う。


動物病院からの紹介で定期的に出張トリミングしているシーズー。
13歳の老犬で重い心臓病を患っている。
病院の先生が「今生きているのが不思議なくらい心臓が悪く、
いつ何があっても不思議ではない」
と言っている。
先生は毎日往診に行って注射をしているそうだ。
…それを聞いてかなりビビリましたよ。。。
トリミング中に最悪な事態になったらどうしようととても怖いけど、清潔に
快適に過ごしてもらいたいですもの!そんなことは言ってはいられない!
細心の注意を払って負担のかからないトリミングをします。

しばらくトリミングしなくてもすむように、普段のお手入れがしやすいようにと
全身バリカンで短くカットしました。
DSCF1686.JPG

どんな短いカットでも被毛のことを考えハサミでカットし、めったにバリカンを
使わない私ですが、病犬や老犬では、時間短縮を優先しバリカンをよく使います。



15歳のポメラニアンは、老化で失明し耳も聞こえてません。
重い心臓病と糖尿病を患っていて毎日インシュリンを打っているそうです。
立つことが困難で伏せしたままの状態でカットしました。
DSCF1558.JPG

老犬なのに豊富な毛量でもつれがあちこちにできていました。
飼い主さんに補助してもらいながら時間との勝負で、全身を短くカット。
DSCF1563.JPG

トリミング中に何度も「ゲッホゲッホ」と咳をしていて心配だったけど、飼い主さんは
「これくらいの咳ならまったく大丈夫。普段よりも咳が少ないから」と。。。
普段の状態を知っている飼い主さんはちょっとした変化がわかるので、トリミング中
に側にいてもらえるのが一番いい。
もし、犬に何かちょっとした異変が起った場合飼い主さんが一番気づくはずだから
その時は無理せずすぐトリミングを中止できる。



我が家の老犬マーシャも病犬である。
膝蓋骨脱臼変形性脊椎症の疾患を持っているので、トリミング中は同じ
姿勢で立っているのが困難なので、超マッハなスピードでカットを終わらせます。

変形性脊椎症のため背中が弓のように曲がっていて、後ろ足は膝蓋骨脱臼で
力が入らず立っているのがつらそうなのがわかります?
DSCF0646.JPG

マーシャの場合は、爪を切る時や足先にバリカンをかける時は負担がかからない
ように保定にはすごく気を使うのですよ。


病犬といえば最近多いのは皮膚病です。
以前、ブログの記事にしたミニチュアシュナウザーのあずきくん
DSCF1679.JPG

シュナウザー特有の皮膚病「面ぼう症候群」で背中にカサブタみたいなものが
たくさんできたいました。
獣医の指示で薬用シャンプーで薬浴し、3回目で症状はすっかり消えてきれいな
背中に戻りました。
DSCF1675.JPG


こちらも以前、ブログ記事で取り上げた皮膚病で毛質がすっかり変わってしまった
ポメラニアンのきょうまくん

被毛がボロボロだったけど、フサフサの被毛に戻りました。

2005_0715ポメ画像0024.JPG

こんな状態が↑ 今ではこの通り↓

2005_0715ポメ画像0024.JPG

DSCF1776.JPG


トリマーさんも老犬や病犬のトリミングをすることが多くなってきていますが、
ショップなどでお預かりをして健康な犬と同じ扱いをして長時間トリミング
していることを聞くことがあります。

トリミング中やトリミングが終わって帰ったら具合が悪くなり亡くなった
という話を聞いたこともあります。

自分では無理だと判断したら、理由を話し理解してもらい、トリミング併設の
動物病院を紹介するなど配慮も必要だと思います。

私の場合は、病院からの紹介で獣医から注意事項を充分聞いたうえで
飼い主さんとも話し合いお互い納得してトリミングを行っています。


人間と同じよう現代病や高齢化の犬をトリミングする機会も増えきます。
犬の扱いや病気についての知識をつけて、このような病犬でも扱えるトリマーさんが
増えて欲しいと思います。






病犬になったとき、老犬になったときでも自宅で手入れできるように
手入れ法を勉強してみませんか?
5月28日は愛犬のお手入れ勉強会です
詳細はここをクリック↓ ドギーサークル「Play Bow」

s_bn2.gif

ニックネーム のらのら at 18:03| トリマーの仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする